低周波発振器(オーディオ用発振器)回路のMEMO
工事中! 色々訂正中!と言うより勉強中で、まだ正しい結果は得られていません。
専門書を買ってくることにします。
それまでの、メモです。
2016・12 この記事を見に来られる方が多いので、記事の体裁を修正し、更に加筆訂正を行いました。
オーディオ用低周波発振器(アナログ)の回路の一覧を整理しておこうと思います。
もくろみは自作です。
また、低周波発振器での必要な測定範囲も整理していきます。
正弦波発振回路
1.ウィーンブリッジ (Wien Bridge) と 一般的な発振回路の要点
周波数を可変とする場合に最も一般的に使用されている回路でネット上の製作例も一番多く、自作するには、この回路が良いようです。
Rt、Ct の偏差と、温度係数が重要。
周波数連続可変にしたメーカー機器は、Ct にバリコンを使用するのが普通だったようですが、現在アマチュアが入手できる2連バリコンはmax200pFぐらいが最大容量でしょう。
これではRt の値が現実的な範囲に収まらなくなるようですが、ただ、MOS タイプのOP アンプで可能かも知れません。
10Hz では80MΩと言う絶縁抵抗値の範囲に挑まなければなりませんが、100Hz 以上をターゲットに置けば8MΩ と、自作範囲に入ってくるのでこれは一考の余地があります。
アマチュア的にはRt に2連ボリュームを使用して、周波数可変とするしかありませんが、これがなかなか現実的ではありません。
周波数可変つまみに刻まれる周波数目盛が、できれば均等刻みか対数刻みになって欲しいのですが、例えば1kHz~10kHzを1レンジでカバーする時、左に一杯絞った時が1kHz だとすると、一般的に手に入るB 形ボリュームでは、12 時の位置(中央)で2kHz になってしまいます。
で、本当はC カーブの2 連ボリュームが望まれるのですが、今時こんな物は殆ど手に入りません。(と言うよりアマチュア用に作ってません。)
又、普通に2 連のボリュームを買ってきても偏差はかなりひどいので良質の物を買ってこなくてはいけません。
ただ、昨今は100Hz~10kHz の範囲でうねるf 特を持った増幅器を作る事の方が難しいので、こんな範囲はf 特の測定範囲から外しても良いとも思えます。
こんな考え方で測定に必要な範囲を限ってしまうと10kHz から1MHz 辺りの暴れと、100Hz 以下と言うより、40Hz 以下の減衰の仕方が観測できれば良いでしょう。
あとは入出力特性に必要な1kHzがピンポイントであれば事足りてしまうかも知れません。
と言う風に限ってしまうと、オールマイティな発振器は不要かも。
このウイーンブリッジの発振条件の利得は3 です。
(Rf+Rs)/Rs=3
この利得をどうやって一定に保つのかがウィーンブリッジに限らず低周波発振器の肝です。
この例では電球のフィラメント(タングステン)の温度による抵抗の変化を利用して、NFB(負帰還)量の制御しています。
これで振幅を安定させようとしているのですが、こいつが巧くいきません。
真空管時代には専用の電球があったあったようですが、今は無理でしょう。
後述しますが、今ではFET やダイオード・LED リミッタで制御するのが殆どです。
なかにはサーミスタやフォトカップラなんて方法もあるようです。
どちらにしろネット上で見つかる低周波発振器の製作記事は、このウィーンブリッジ回路が殆どです。
私のウィーブリッジ発振器の記事
2.ブリッジドT (Bridged T )
ウィーンブリッジより低歪らしくて、高い周波数まで発振可能なのだそうですが、ネット上では製作例が殆どヒットしません。
1 例だけ、ダイオードリミッタの例を見たことはあります。
コンデンサーの容量が2 種類必要なので、部品点数が増えるのと入手がやっかいです。
振幅調整にはウイーンブリッジと同じ、FET の回路が使用できるはずなのです。
コンデンサーの煩雑さはありますが、製作条件的にはウイーンブリッジと変わらなくて、性能が良ければ、最初からこちらをターゲットにすればいいはずです・・・・
ただ、この製作例のなさはなんなのでしょう。
発振条件 Rs=0.5Rf ってウィーンブリッジと一緒か。
でもないか、こちらは正帰還側の抵抗です。
3.ツインT (Twin T)
ツインT は発振器ではなくてフィルターとして歪率計に多用されているようです。
バンドエリミネータ、バンドストップ、ノッチ等は同じ意味のフィルタです。
時定数を決めるCR がやっかいですが、
歪率計ではこの回路が主流で帰還部分にOPアンプを入れ、
Q(フィルタの切れ込み)を調整します。
と言うことらしいです。
特に低歪でなければ発振回路ととしてのメリットはないかも。
4.3相位相
この回路を取り上げるのには今のところ何の意味もないのですが、
後述の、差動入力の振幅調整回路での標準がこの回路で、
フィルターと利得帰還回路?の位相をMEMO しておきたかっただけです。
発振条件の利得は29です。
5.状態変数形 (State Variable )
あっちこっちで有名な低歪発振回路。
トラ技で発表されているようですが(絶版)。
低歪みが得られ、時定数のバラツキにも強いと言われています。
振幅制御はFET かダイオード等のリミッタでの例しかありません。
増幅段数は多いですが、よく見ると各段は意外と単純な回路なので製作はそんなに複雑ではありません。
又時定数のCR はウィーンブリッジと同じ定数で、少しの回路変更で共用できます。
私の状態変数型発振器の記事
6.クワドラチャ (Quadrature)
5.の状態変数形によく似ていて、どちらかが発展型なんですかねぇ。
こちらも90°遅れた位相が取れます。
sin 出力の方が歪率が小さいということです。
図は原典どおりの振幅制御にダイオードリミッタを使用した回路ですが、
sin 出力では0.01%程度の歪率が得られるようです。
(出典:定本 OPアンプ回路の設計/CQ出版社)
正弦波発振器の種類は以上で充分でしょう。
使用条件でどれを選ぶかということですが、いずれにしても発振周波数を決める抵抗とコンデンサーが重要なようです。
その偏差も1%以下が必要みたいです。それと温度変化。
入手できる部品や作り方で、その性能決まってしまうようで、更に振幅調整回路が難しそう!
こうやって、MEMO として残すのは、結局作ってみたいからに他ならないのですが、
過去の先人の忠告に耳をかさない、結局、どうなんですかね、
玄人になれない中途半端マニアが一度やってみたい分野ではありますねぇ。
方形波発振回路
1.CMOSによるマルチバイブレータ
図はCMOS IC によるマルチバイブレータで、
初段のスイッチで発振のON/OFF 制御ができるものです。
CMOS IC は供給電圧が+15V 迄かけられるので、
オペアンプの電源と共用できます。
図に書いているような100kHz については、方形波の肩がどこまできれいに立ち上がってくれるか検証してませんが、うまくいけば簡単で安直な方法です。
振幅制御回路
1.FET 簡単制御の例
振幅制御の公表例はFET を利用したものが殆どでです。
そんな中で右図が一番簡単な例でした。
ウィーンブリッジでの例です。
ちゃんと公表サイトに敬意を表してURL を貼らないといけないのですが、
分からなくなりました。
他の手法では、このFET に如何に制御電圧をかけるかにテクニックを駆使しているようです。
下記サイトではウイーンブリッジの振幅制御回路の殆どを実験されてます。
電子回路実験教材の部屋
2.差動入力の例
差動入力を利用した例です。
ボリュームを33kΩにした点がよいということです。
ウィーンブリッジの場合は差動入力の反対側を利用すればいいということなので、フィルター部分の変更で実験ができそうです。
CR発振回路の歪みを抑える非線形増幅回路 (注:リンク切れです。 2015 )
新しい物好きとしては飛びついてチョコチョコっと実験してみましたが、ウイーンブリッジでは上手くいきません。
ウイーンブリッジでは全体の利得を3に抑えなければならないのですが、これがよく分ってません。
差動入力回路の利得のMEMO
利得 : Av=(Rc1/2) × ( Ic1/Vt )
Vt : 熱抵抗 ≒ 26mV
原回路の位相シフトで実験してみないと。
?で、位相 移相 ??
私の差動入力リミッタの記事
専門書を買ってくることにします。
それまでの、メモです。
2016・12 この記事を見に来られる方が多いので、記事の体裁を修正し、更に加筆訂正を行いました。
オーディオ用低周波発振器(アナログ)の回路の一覧を整理しておこうと思います。
もくろみは自作です。
また、低周波発振器での必要な測定範囲も整理していきます。
正弦波発振回路
1.ウィーンブリッジ (Wien Bridge) と 一般的な発振回路の要点

Rt、Ct の偏差と、温度係数が重要。
周波数連続可変にしたメーカー機器は、Ct にバリコンを使用するのが普通だったようですが、現在アマチュアが入手できる2連バリコンはmax200pFぐらいが最大容量でしょう。
これではRt の値が現実的な範囲に収まらなくなるようですが、ただ、MOS タイプのOP アンプで可能かも知れません。
10Hz では80MΩと言う絶縁抵抗値の範囲に挑まなければなりませんが、100Hz 以上をターゲットに置けば8MΩ と、自作範囲に入ってくるのでこれは一考の余地があります。
アマチュア的にはRt に2連ボリュームを使用して、周波数可変とするしかありませんが、これがなかなか現実的ではありません。
周波数可変つまみに刻まれる周波数目盛が、できれば均等刻みか対数刻みになって欲しいのですが、例えば1kHz~10kHzを1レンジでカバーする時、左に一杯絞った時が1kHz だとすると、一般的に手に入るB 形ボリュームでは、12 時の位置(中央)で2kHz になってしまいます。
で、本当はC カーブの2 連ボリュームが望まれるのですが、今時こんな物は殆ど手に入りません。(と言うよりアマチュア用に作ってません。)
又、普通に2 連のボリュームを買ってきても偏差はかなりひどいので良質の物を買ってこなくてはいけません。
ただ、昨今は100Hz~10kHz の範囲でうねるf 特を持った増幅器を作る事の方が難しいので、こんな範囲はf 特の測定範囲から外しても良いとも思えます。
こんな考え方で測定に必要な範囲を限ってしまうと10kHz から1MHz 辺りの暴れと、100Hz 以下と言うより、40Hz 以下の減衰の仕方が観測できれば良いでしょう。
あとは入出力特性に必要な1kHzがピンポイントであれば事足りてしまうかも知れません。
と言う風に限ってしまうと、オールマイティな発振器は不要かも。
このウイーンブリッジの発振条件の利得は3 です。
(Rf+Rs)/Rs=3
この利得をどうやって一定に保つのかがウィーンブリッジに限らず低周波発振器の肝です。
この例では電球のフィラメント(タングステン)の温度による抵抗の変化を利用して、NFB(負帰還)量の制御しています。
これで振幅を安定させようとしているのですが、こいつが巧くいきません。
真空管時代には専用の電球があったあったようですが、今は無理でしょう。
後述しますが、今ではFET やダイオード・LED リミッタで制御するのが殆どです。
なかにはサーミスタやフォトカップラなんて方法もあるようです。
どちらにしろネット上で見つかる低周波発振器の製作記事は、このウィーンブリッジ回路が殆どです。
私のウィーブリッジ発振器の記事
市販されているウィーブリッジ発振器ユニット
2.ブリッジドT (Bridged T )

1 例だけ、ダイオードリミッタの例を見たことはあります。
コンデンサーの容量が2 種類必要なので、部品点数が増えるのと入手がやっかいです。
振幅調整にはウイーンブリッジと同じ、FET の回路が使用できるはずなのです。
コンデンサーの煩雑さはありますが、製作条件的にはウイーンブリッジと変わらなくて、性能が良ければ、最初からこちらをターゲットにすればいいはずです・・・・
ただ、この製作例のなさはなんなのでしょう。
発振条件 Rs=0.5Rf ってウィーンブリッジと一緒か。
でもないか、こちらは正帰還側の抵抗です。
3.ツインT (Twin T)

バンドエリミネータ、バンドストップ、ノッチ等は同じ意味のフィルタです。
時定数を決めるCR がやっかいですが、
歪率計ではこの回路が主流で帰還部分にOPアンプを入れ、
Q(フィルタの切れ込み)を調整します。
と言うことらしいです。
特に低歪でなければ発振回路ととしてのメリットはないかも。
4.3相位相

後述の、差動入力の振幅調整回路での標準がこの回路で、
フィルターと利得帰還回路?の位相をMEMO しておきたかっただけです。
発振条件の利得は29です。
5.状態変数形 (State Variable )

トラ技で発表されているようですが(絶版)。
低歪みが得られ、時定数のバラツキにも強いと言われています。
振幅制御はFET かダイオード等のリミッタでの例しかありません。
増幅段数は多いですが、よく見ると各段は意外と単純な回路なので製作はそんなに複雑ではありません。
又時定数のCR はウィーンブリッジと同じ定数で、少しの回路変更で共用できます。
私の状態変数型発振器の記事
6.クワドラチャ (Quadrature)

こちらも90°遅れた位相が取れます。
sin 出力の方が歪率が小さいということです。
図は原典どおりの振幅制御にダイオードリミッタを使用した回路ですが、
sin 出力では0.01%程度の歪率が得られるようです。
(出典:定本 OPアンプ回路の設計/CQ出版社)
正弦波発振器の種類は以上で充分でしょう。
使用条件でどれを選ぶかということですが、いずれにしても発振周波数を決める抵抗とコンデンサーが重要なようです。
その偏差も1%以下が必要みたいです。それと温度変化。
入手できる部品や作り方で、その性能決まってしまうようで、更に振幅調整回路が難しそう!
こうやって、MEMO として残すのは、結局作ってみたいからに他ならないのですが、
過去の先人の忠告に耳をかさない、結局、どうなんですかね、
玄人になれない中途半端マニアが一度やってみたい分野ではありますねぇ。
方形波発振回路
1.CMOSによるマルチバイブレータ

初段のスイッチで発振のON/OFF 制御ができるものです。
CMOS IC は供給電圧が+15V 迄かけられるので、
オペアンプの電源と共用できます。
図に書いているような100kHz については、方形波の肩がどこまできれいに立ち上がってくれるか検証してませんが、うまくいけば簡単で安直な方法です。
振幅制御回路
1.FET 簡単制御の例

そんな中で右図が一番簡単な例でした。
ウィーンブリッジでの例です。
ちゃんと公表サイトに敬意を表してURL を貼らないといけないのですが、
分からなくなりました。
他の手法では、このFET に如何に制御電圧をかけるかにテクニックを駆使しているようです。
下記サイトではウイーンブリッジの振幅制御回路の殆どを実験されてます。
電子回路実験教材の部屋
2.差動入力の例

ボリュームを33kΩにした点がよいということです。
ウィーンブリッジの場合は差動入力の反対側を利用すればいいということなので、フィルター部分の変更で実験ができそうです。
CR発振回路の歪みを抑える非線形増幅回路 (注:リンク切れです。 2015 )
新しい物好きとしては飛びついてチョコチョコっと実験してみましたが、ウイーンブリッジでは上手くいきません。
ウイーンブリッジでは全体の利得を3に抑えなければならないのですが、これがよく分ってません。
差動入力回路の利得のMEMO
利得 : Av=(Rc1/2) × ( Ic1/Vt )
Vt : 熱抵抗 ≒ 26mV
原回路の位相シフトで実験してみないと。
?で、位相 移相 ??
私の差動入力リミッタの記事
お勧め参考書
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